異の場合に外ならず.今再び此特異の場合を審明せんが爲に,先づ (1) に於て等號を採るべき場合を考へんに,こは 卽ち にして且 卽ち の下限たるべき が同時に,其最小たるときに限れり,是故に 隨て( の場合につきて言はゞ) 卽ち の展開の係數は の位より後は, の無窮の連續なり.又 (2) に於て等號を採るべきは が の最大なるとき卽ち 隨て 卽ち が の位に終れる有限小數に等しき場合に限れり.卽ち と との相等しきときは,此兩數の展開は次の如くなるべきなり,
卽ち第六章(九)の特異なる場合の外は相異なる無限小數は常に相異なる數を表はし,同一の數が二樣の展開を與ふることなし.