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(五)
無理數の展開

ば, の諸數は盡く より大なるが故に, は一の下限を有す.之を と名づくるに の上限 と同一の數なり.其故如何にといふに,先づ

なることは旣に說きたり.今又 の下限となせるが故に,いづれよりも小なる數の上限なり,故に なること旣に確實なり.今更に なるを得ざるを證明せんに,假に なりとせば なる如き自然數 はアルキメデスの法則によりて必ず存在す,よりて なる如く指數 を定めて を得.さて一方に於て

より を得て,こゝに前後矛盾の結論を生ず. なりとの主張は保持すべからず, は必至なり.

上文の觀察は要するに次の事實に歸着す. を豫め與へて,之より前に述べたるが如くにして