と其對角線とは公約なき二つの長さなりといへるは,ユークリツドの諸定理の中最有名なる者の一なり.
此有名なる定理の證明を此處に反復すること,決して其所を得ざる者と謂ふべからず.此定理はユークリツドの法式に終結あるを確知し得べき,特別の場合としても亦注意に値す.
a b {\displaystyle ab} を一邊とせる平方形の對角線 a c {\displaystyle ac} の上に於て a b = a b ′ {\displaystyle ab=ab'} なる點 b ′ {\displaystyle b'} を定め, b ′ {\displaystyle b'} より a c {\displaystyle ac} に垂直に b ′ d {\displaystyle b'd} を引きて, d {\displaystyle d} に於て b c {\displaystyle bc} を切らしむ.
と置かんに,先づ A 1 > A 2 {\displaystyle A_{1}>A_{2}} さて三角形の二邊の和は他の一邊よりも大なるが故に
卽ち