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四則算法の形式上不易

なる除法を成立せしめんとして,直に再び なる除法の例外に撞着せること是なり.數の範圍を擴張する目的は,法則の統一を保持するにあること吾輩の旣に認めたる所なり. なる數は排斥せざるべからず.算法適用の區域に限界あるは自然なり. を法とせる除法の絕對的に排斥すべきは,卽ち算法適用の區域の自然の限界の最好例なり.

高等數學に於て なる記號の常に用ゐらるゝことは吾輩のこゝに言へる所に牴觸せりと誤解すること勿れ. なる記號は數學に於て決して一個の數を表はすことなし.例へば なる式に於て が漸次減少して限りなく に近接するときは, は漸次增大して其究まる所を知らず.此事實を書き表はさんが爲に なる記法を用ゐる,更に之を簡約して と書くの俑を作れるは誰ぞ.初學者を誤るの甚しき,此記法に過ぐるはなし. 又は 或數を表はせるにあらず, も獨立しては意義を有せず, なる配合をなして後,始めて上に言へる複雜なる事實を表はすの暗號とな