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(一)
加法及其性質

例へば甲の物の數六乙の物の數三なるとき甲,乙を合同して之を數ふるに拇指を屈して七と呼び示指を屈して八,中指を屈して九といふは卽ち七,八,九に一,二,三なる順序數を配し行けるに外ならず,拇指,示指,中指は , , を代表せるなり.

若し前に乙に屬せる物に より までの順序數を配せる手續きを基礎となし, の次の數に を配し,又其次の數に を配し次第に斯くの如くなし行きて竟に の配せらるゝ數に到着するときは此數は卽ち なり.さて も共に丙なる一組の物の數に外ならざるが故に

卽ち二つの數の和は加へられたる數の順序に關係せず.之を加法の交換の法則といふ.三組の物を順次合同する場合に同樣の論法を適用して

を得, なる三個の數を加ふるに當り先づ を加へ,更に其和に