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四則算法の形式上不易

一つが なる場合に限れり.是によりて乘法の組み合はせの法則及交換の法則の正負整數の範圍內に於ても仍ほ成立せるを知るべし.

負數及び の關係せる乘法の意義は分配の法則を特殊の場合に適用して之を定めたり.然れども乘法の意義旣に定まりたる上は,分配の法則が果して凡ての場合に於て成立すべきや否や,此疑問は尙ほ解決を待てり.

なるとき及び の中一方又は雙方の なる場合には自ら明なり.又此等式若し の正數なるとき常に成立せば, を之に反せる負數となすとき亦然らざるを得ず,是故に先づ を正數とし, が共に正數なる場合を除き,次の三つの場合につきて此等式を驗證せば則ち足る.

共に負數なるときは と置くに,上の等式の左邊は に,又其右邊は に等しく,兩邊の相等しきこと明白なり, の中一は正,一は負なるときは,加法の交換の法則により其いづれ