とを得ず,讀者試に其の然る所以を考究せば,得る所少からざるべし. の最小公倍數を ,又其最大公約數を と名づけ
と置かば,整數 及 の最大公約數はいづれも なり.
二つの數 , の最大公約數を ,最小公倍數を とせば
以上二定理の證明をば練習の資料として讀者に薦めんとす.
(二)
素數分解を分數に適用せんが爲に,先づ冪の定義を擴張して,指數が負の整數なる場合に及ぼさんとす.
指數 が自然數なるとき, は なる因子 個の積を表はせりといふ冪の定義を基礎となすに,分數乘法の意義旣に定まりたる上は基數 が分數なり