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(一)
分數の整除
前章に於て定めたる分數除法の義に從ふときは, が の倍數なるは なる商が整數に等しき場合に限れり.整除に關する基本の二定理は分數につきても亦整數の場合に於けると同一なり,日く,
一,, が共に の倍數なるときは も亦 の倍數なり.
二, は の倍數, は の倍數ならば, は亦 の倍數なり.
げにも , は の倍數なるが故に , なる如き整數 , は存在す,さて にして は整數なるが故に は の倍數なり.二の證亦類推すべし.
整除に關する性質につきては數の正負は度外に置きて可なり.後文の說明中關係せる數の符號より論理の不明を生ずべき場合には,其數皆正なりとなすべし.又單に分數の分母分子と稱するは,特に其然らざるを明言せざる限り,此分數に等しき旣約分數の分母,分子を指せるものとす.前章の例に倣ひて一般にギリシヤ文字を以て分數を表はし,イタリツクを以て整數を表はさんと