實はこゝに說きたると其精神を同じくせるなり.
(四)
(二)に於て廣義の數の加法に袖象的の定義を與へ,此定義を前提として加法の諸性質を證明せるに當りて,思想の紛亂を避けんが爲に,故らに加法の常用記法を用ゐざりし用意は,此處に再び同樣の見地より乘法を論ぜんとするに際しては,旣に其要を認めざるべし.
乘法とは次の等式によりて定めらるゝ算法なり.
II に於て b {\displaystyle b} に代ふるに b − 1 {\displaystyle b-1} を以てせば
を得,之を II と倂せて