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有する米國製鋼會社は從來勞働組合を認めざるを以て方針となし來りしが昨年セントポールに開かれし鋼鐵工會議及本年六月の全米勞働大會が何れも鋼鐵工團結の動議を成立せしむるや此處に鋼鐵工結束の機運は漸く熟し來り終に米國勞働聯合會長ゴンパース氏を通じてゲーリー氏と勞働條件の協定をなすべき運にまでなりたりし也、然るにゲーリー氏は勞働者の團體を認めざるを理由として再三の申込ありしに拘らず斷乎として面會を拒絕したりしのみならずゴンパース氏の依賴に基くウイルソン氏の面會斡旋に對しても亦是を峻拒したりしが故に鋼鐵工側は九月二十二日を以て終に同盟罷業の擧に出づる事を决心するに至れり。