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十三、米國に於ける種々なる解放運動

 米國に於ては戰後に至り種々なる意味に於ける解放運動が一齊に其芽を吹き出し始めたり、即ち白人の壓迫に對する黑人の解放を目的とする人種運動强國の支配を脫して獨立を完うせんとする愛蘭人印度人朝鮮人比律賓人の民族運動及び資本家に對して勞働者の地位の向上を要求する勞働運動等は其主なるものなり。

 英領殖民地時代に奴隷五萬頭と稱せられし黑人が獨立戰爭の頃には五十萬頭となり南北戰爭の時代には五百萬頭に上り現今に於ては一千萬人を數へられて米國總人口一億の一割を