Page:Sengo ōbei kenbunroku.pdf/253

このページは検証済みです

しは支那側が我從來の對外政策を針小棒大に言ひ觸らせし結果に相違なけれども元々火の無き所には煙の昻る道理なし、此點に就きても我國民は一步退きて深く自ら戒むる所なかる可らずと信ず、かく申せばとて余は决して所謂軟弱外交を讃美するものに非ず、かの米國の鼻息をのみ覗ひて我國權の伸張を甘じて阻止するが如き態度は余の斷じて與みする能はざる所なりと雖今日の世の中に於て戰國策其儘を實行せむとするが如き軍閥一味の人々に對しては余は疾呼して其不謹愼を鳴らさゞるを得ず、西比利亞の出兵に際して最初七千の兵を出すと聲明して置き乍ら何時の間にか七萬の兵をしかも狐鼠と送り出したる事はいか斗りウヰルソン氏の感情を害せしかいか