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報吿を發表せり。其報吿は四通あり。第一種は議長の報吿にして先づ第一着手として地主の地上權を買上げ、三年の後國有とすべしとの案なり。第二種は資本家の報吿にして全然國有に反對するものなり。第三種は勞働者中極端派の報吿にして鑛山は無報償に資本家より沒收すべしと云ふにあり。第四種は妥協案にして鑛山は國有とせず石炭丈政府に於て買上ぐべしとの案なり。政府が其何れを採るかは久しき間の問題なりしが最近に至り遂に國有案は是を葬り去る事に决定したる如し。

 右述ぶる所は純然たる經濟的方面に於ける勞働問題最近の