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又サンケー委員會の名を以て呼ばる。資本家側勞働者側より各同數の委員を出し以て協議せしむ。雙方互に激論を鬪はせしが或時などは資本家側の某公爵と一勞働者との間に火花を散らすが如き舌戰行はれ、兩々相對峙して下らざりきと云ふ。又以て此國の貴族なるものが必ずしも凡庸の器に非ざる事を證すべし。かくて此委員會は三月二十日に至り審査の結果を報吿せり。此報吿は全然妥協的にして勞働時間は七時間勞銀は一割半增加とし、二年間實施の後結果良好ならば勞働を更に六時間に减ずべしと云ふにあり。政府は此報吿に基きて此七月より七時間勞働を採用したる也。鑛山國有の問題に付きては異論百出して容易に决定に至らず漸く六月二十日に至りて