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を喫したり。何故かゝる嚴重なる調査をなすやと云ふに、一にはボルシエビキ運動の蔓延を防がん爲也、二には此國に職業を求め來る外國人の入國を制限して、戰後の復員に伴ふ失業者の簇出を緩和せむ爲也。此の制限は今日嫉妬の眼を以て見られつゝある日本人に對しては特に甚しきものあり、余等の如き通り掛りの旅行者は難なく許可せらるゝも、銀行會社等に在勤の人々は此地に來るに非常なる面倒を見る由にて或人の如き紐育より倫敦に轉勤を命ぜられたるに入國を拒まれ、暫らくの間宙宇に彷徨するの憂目を見たりとの事也。

『アングロサクソン優越』の著者は述べて曰く、英人は最極端な