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るも素より獨逸聯邦の一として其組成分子たるなり、只今日の伯林政府にては到底戰後獨逸の難局を引受くる力なきが故に我等の共和國自ら進んで其大任を負擔せんとす。

 ドルテン氏は伯林を以て已にボルシエビキーの手中に在りとし獨逸を救ふには先づボルシエビキーと戰ふの覺悟を要すとなせり、又氏は社會主義に對しても全然賛意を表せず、氏に從へば眞正のデモクラシーは人民全體の基礎の上に立たざるべからず、プロレタリヤートを本位とする社會主義はブルジヨア本位の資本主義と同じくデモクラシーの敵なりとなす、其言ふ所往々にして餘りに純理に走る嫌ひあり、これ氏が一部よりは又空想家なりとて排斥せらるゝ所以なり、然れども氏を中心と