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かが争われている。

2 原審の適法に確定した事実関係等の概要(公知の事実を含む。)は、次のとおりである。

(1)ア 優生保護法は、昭和23年6月28日に成立し、同年7月13日に公布され、同年9月11日に施行された法律である。

制定時の優生保護法1条は、この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする旨を定め、同法2条1項は、この法律で優生手術とは、生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術で命令をもって定めるものをいう旨を定めていた。そして、優生保護法施 行規則(昭和24年厚生省令第3号)1条は、優生手術の術式として、精管切除結さつ法、精管離断変位法、卵管圧挫結さつ法及び卵管間質部けい状切除法を定めていた。

制定時の優生保護法3条1項は、医師は、同項各号の一に該当する者(ただし、未成年者、精神病者及び精神薄弱者を除く。)に対して、本人の同意及び配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。以下同じ。)があるときはその同意を得て、優生手術を行うことができる旨を定め、これに該当する者として、①本人又は配偶者が遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格、遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有しているもの(1号)、②本人又は配偶者の4親等以内の血族関係にある者が遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格、遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有し、かつ子孫にこれが遺伝するおそれの あるもの(2号)、③本人又は配偶者がらい疾患にかかり、かつ子孫にこれが伝染するおそれのあるもの(3号)等を定めていた。

また、制定時の優生保護法は、4条において、医師は、診断の結果、同法別表に掲げる疾患にかかっていることを確認した場合において、その者に対し、その疾患の遺伝を防止するため優生手術を行うことが公益上必要であると認めるときは、都