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を各都道府県知事宛てに発出した。昭和28年次官通知には、審査を要件とする優生手術について、本人の意見に反しても行うことができるものである旨、この場合に許される強制の方法は、手術に当たって必要な最小限度のものでなければならないので、なるべく有形力の行使は慎まなければならないが、それぞれの具体的な場合に応じては、真にやむを得ない限度において身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えない旨等が記載されていた。

厚生省公衆衛生局庶務課長は、昭和29年12月24日、「審査を要件とする優生手術の実施の推進について」と題する通知(同日衛庶第119号)を各都道府県衛生部長宛てに発出した。同通知には、審査を要件とする優生手術について、当該年度における11月までの実施状況をみると、以前に提出願った実施計画を相当に下回る現状にあるので、なお一層の努力をいただき計画どおり実施するように願いたい旨が記載されていた。また、同局精神衛生課長は、昭和32年4月27日、各都道府県衛生主管部(局)長に宛てて、例年、優生手術の実施件数が予算上の件数を下回っている実情であり、当該年度における優生手術の実施についてその実をあげられるようお願いする旨を通知した。

(3)ア 上告人X は、昭和▲年生まれの女性であり、昭和▲年▲月、≪略≫により≪略≫などと判定された。

上告人Xは、昭和▲年▲月又は同年▲月頃に不妊手術を受けた。同不妊手術は、優生保護法10条の規定に基づいて行われたものであった。

イ 上告人Xは、昭和▲年生まれの女性である。上告人Xは、昭和▲年、≪略≫の手術を受けたところ、麻酔等の影響によって以前のように言葉を発することができなくなり、その後、医師により遺伝性精神薄弱と診断された。

上告人Xは、昭和▲年▲月、不妊手術を受けた。同不妊手術は、優生保護法10条の規定に基づいて行われたものであった。

(4)ア 平成8年4月1日、らい予防法の廃止に関する法律(同年法律第28号)