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の存在を否みしにもあらず、宗敎上は寧ろデイスト風の見地に立てりき。但し彼れは神の深奧なる性は吾人の知り得べからざる所なりと云へり。


自然科學者と唯物論

《シャール、ボネーの感覺論。》〔一八〕コンディヤックはロックの創めたる觀念の硏究に專らにして特に生理的方面に向かひて其の硏究を進むることを爲さざりしが吾人は自然科學者の中に心理上及び知識論上の硏究の結果と生物學及び生理學上の觀察とを結び付けたる者あるを見る。中に就き吾人の先づこゝに揭ぐべきは自然科學の硏究に心を用ゐ、コンディヤックに似てしかも彼れのほどに判然と言ひ現はされざりし感覺論を唱へたる


シャール、ボネー(Charles Bonnet 一七二〇―一七九三)

なり。彼れは吾人の心生活に於ける凡べての內容の起原を感覺に歸し、コンディヤックが用ゐたると同じき譬喩を用ゐて刻みたる像に於いて感官が一つ