Page:Onishihakushizenshu04.djvu/393

このページは校正済みです

りして通常正しとせらるゝことを行ふが全體より見て社會の利福を來たす途なりと唱へたり。一時英國に行はれたる神學的功利說はこゝに至りて最も明らかに唱道せられたりと謂ふべし(爾後の功利說の發達は後に叙する所あるべし)。


第四十三章 聯想派の心理學者

《ダヸッド、ハートレーの聯想說。》〔一〕心理學上及び知識論上の硏究に於いてヒュームの取りて以て大利器としたる聯想說は


ダヸッド、ハートレー(David Hartley 一七〇四―一七五七)

によりて自然科學に用ゐる機械的說明の觀念と結び付けられて吾人の心理的發達全體の根本的規律となされたり。ハートレーは醫を業とし一千七百四十九年、『人間に關する觀察』("Observations of Man, His Frame, His Duty and His Expectation")を著はし(已にゲー〔Gay〕が彼れに先きだちて多少の說を爲したるが如く)吾人の一切の心的現象をば其の最も高等なる最も複雜なるものに至るまで總べて聯想を根據