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て說明せし所のもの)なるが、彼れは光線其の物の說明に於いては當時の有名なる和蘭の科學者クリスチアン、ホイヘンス(Christian Huyghens 一六二九―一六九五)の振動說を受け容れずして物質的光線の發射を說き、其の發射によりて物象(species)が腦に傳へられ、其處にて感覺器に於いて感覺の性能ある心によりて覺知せらると說けり。此の點に於いてニュートンがホイヘンスの說を容れざりしに引きかへて引力說(即ち彼れが科學及び哲學に於いて其の重大なる地位を占むる所以のもの)に於いてはホイヘンスはニュートンの說を容れずして却つて之れを以て考ふべからざるものの如くに評せりき。

《ニュートンの引力說に重大の意義あるは物質界全體を說明せるにあり。》〔三〕ニュートンが說きたる引力說の科學及び哲學に於いて重大の意義を有する所以は吾人が地上に於いて見る所を物質界全體に及ぼして全宇宙を同一なる法則の上に置きたるに在り、宇宙の部分の同質なることは是に於いて最も明らかに說明されたるなり。今之れに關する古來の思想を顧みるに、希臘に於いてはピタゴラス派の學者を初めとしてプラトーン及びアリストテレース等は天上界と地界とを相對比し二者は其の質を異にし其の完美なることに於いて前者は遙