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絕して異別のものと分かるれば人格上異なる人と云はざるべからざればなり。其の他空間及び力等に就きての觀念は多くは關係の觀念なり。
かくの如く觀念の相比較せらるゝことによりて種々の複雜觀念は形づくらるゝが其等觀念相互の間には其れに自然に存する關係もあれば又それが偶然に相結ばれ習慣によりて相喚起し來たるもあり。此等が所謂聯想(association)と名づくる現象を成して種々の觀念が吾人の心に相聯結し相喚起し來たるなり。
《言語、一般觀念、抽象作用、種類の本質。》〔一二〕吾人が觀念を複雜に作り上ぐることに於いて大なる關係を有するは言語なり。一人が其の觀念を他人に傳ふるには其れの記號を以てせざるべからず、而して其の記號の最も便利なるものは即ち通常謂はゆる言語なり。言語はもと事物を示す記號と云はむよりも寧ろ吾人の觀念を現はす者として用ゐらる。然れども各觀念に各〻一つの言辭ありと云ふにはあらず、かくては却つて觀念を取り扱ふに不便なるが故に特別に一物にのみ名づくる固有名詞を除きては大凡そ言語は或種類の物を示す一般觀念(general idea)の記號として用ゐらる。而して一般觀念の造り上げらるゝは個々の事物を觀察して其の共通の相を差別の相より