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見而して一をペリパテーティク學派の所謂相となし二を其の所謂素となしたり。而して又彼等の或者は一を神と見或者は神を以て一とニとの對峙以上のもの即ち其の對峙の出づる根元と見たり。かくの如き思想の差別はあれども槪して彼等の說には神と之れに對する物質との二元の論を見ることを得べし。彼等はまた槪ねピタゴラス學徒の所謂數とプラトーン學徒の所謂イデアとを同一視し而して數を以て頗る祕密的なるもの妙力を具ふるものと見たり。彼等の說に於ける特殊の點として哲學上注意すべきはプラトーン學派の所謂イデア即ち萬物の模範となるものを神の有する觀念と見たることなり。プラトーンはイデア其の物を以て實體としたりしが新ピタゴラス學徒はイデアを神の心に存する觀念となし神は其の觀念を模範として萬物を造れりと唱へたり。是に至りては彼等は明らかに神を靈なるもの精神的なるものと見たるなり。而してかくの如く神を心靈と視るに至れるはアリストテレースが神學を硏究せし結果なりといふも不可なからむ。彼等又以爲へらく神と人との間に多くの鬼神あり又星には其れに住する神々ありと。