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云へりし所の如くなるが、又他學派中にも希臘哲學史上末期のものに至りては道德上の實際的修養を以て主要の目的となしたるものあり。プラトーン學派の如き亦初めより決して哲學的硏究と實際的生活とを分離せしめざりきと思はる。

プラトーンはアカデーマイアの園にムウザ(文藝美術の女神)の宮を設けて、之れを祭り又後には其が學徒其の園に開祖の像を建てゝ祭典を執行せり。他の學派に於いても亦同じく祭典を設けて其の學祖を紀念することをなせり。


第十五章 アリストテレース(Ἀριστοτέλης

其の性行及び著作

《プラトーンとアリストテレースとの學相の特色。》〔一〕ソークラテースの弟子にプラトーンあり、プラトーンの門下にアリストテレースあり、此の思想界の三偉人が相踵ぎて現出せしは希臘學術史上に於ける一壯觀なり。プラトーンに於いて希臘哲學在來の主要なる思想がいかに陶冶融合せられたるかは前に述べたるが如し。又上述せる所によりてプラトーンが得意の所は普く自然界の現象を觀察してそを精細に硏究することにあらで寧ろ他に