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によりて起こる、又大地と月との間に吾人の視得ざる若干の天體ありて之れに遮らるゝによりて月の蝕することもあり。日蝕は日と大地との間に月の挾まるによりて起こる。月界には山あり谷あり生物も棲息す、其の自體の暗きは日蝕の時に徵して知るべし。星は月と異なりて自體の光を有す、倂し又太陽の光を得て其の光輝を增す。銀河は太陽に照らされざる星々の光の反射せる也。

《生物論、知覺論。》〔六〕動植物は皆種子より生起したり、詳しく言へば素とアイテール及び空氣の界より落下せし種子の泥土に混じたるが日光に照らされて遂に發生して動植物となりたる也。

動植物皆靈魂を有す、こはヌウスがそれに宿れる也。動植物の生育活動するは智ありて働くヌウスの所爲なり。當時希臘學者は感覺知識の心作用と生育活動の生理作用とを共に等しく靈魂の所爲と見做したり。

パルメニデース幷びにエムペドクレースは類の相同じきもの相逢ふによりて感官の知覺を生ずと云ひしが、アナクサゴーラスは反對のものによらずば知覺は生ぜずと說きたり。彼れおもへらく、吾人が物象を視得るは吾人の瞳子に外物の象