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杳かに

匂つてた。


童話〈A〉


1 貧󠄁しいおうちのランプなら

  煤けた壁にかけられた。


  金滿ゆたかなおうちのランプなら

  太いはりから吊された。


2 貧󠄁しいおうちのランプなら

  笠は破けた紙の笠。


  金滿ゆたかなお家のランプなら

  それは綺麗な瀨戶の笠。


3 貧󠄁しいお家の食󠄁事なら

  冷たいお蕎麥そばが照らされた。


  金滿ゆたかなお家の食󠄁事なら

  皿の秋刀魚が照さママれた。


4 貧󠄁しいお家の子供なら

  ランプの下で繩なつた。


  金滿ゆたかなお家の子供なら

  ランプの下で笛吹いた。


5 貧󠄁しいお家のランプなら

  いつもほそぼそ消󠄁えてつた。


  金滿ママなお家のランプなら

  いつも明󠄁るく笑つてた。