螢〈A〉
夏の宵󠄁は
愁ひに 灯ともす
螢蟲
あるか なきかに
ひを流し すぐに
消󠄁え
ステツキの胼胝
わたしの右手の
ステツキ胼胝
さびしさ ふりすて
ふりすて
すてきれず
遠󠄁い 路 來た
ステツキの