林檎
手をもて撫づれば
きゆるきゆると
笑ふなり
その肌はなめらかに
しつとりとして
わが指にからむなり
陽にかざせば
ぴかつと光るなり
さびしくてならぬ日
きまぐれに一つ買ひたれど
まことにめでたし
りんご 木の果
侘びつつおもしろくなりて
きゆるん きゆるんと
笑はせていくなり