Page:NiimiNankichi-NurseryRhymes and Poems-1-DaiNipponTosho-1981.djvu/89

このページは検証済みです

外套


年の瀨の

衢をゆけバママ

憂愁ぞ

こころにかざす

いかにや 若き日の

はてむとするを

かかるなげきの

つきせず

をぞましき

かかるなげかひ いとせめて

冬󠄁の陽よ

遠󠄁く來て

外套をぬくめよ


みかん


みかん

かなしき木の實

風の日

巷に出でて

見つつゆく

虛しさにうみ

ふと買ひし

明󠄁るき木のみ

その五つかくしに入れて

さて來れば

あはれたのし

みかん

つぶらなる