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ぎいぎい蟲

 ――ルナールまがひ――


君はどこか遠󠄁とほくで

鳴いてゐる

見當をつけてそこへいつて見ると

もつと向うでいてゐる

またそこへいつて見ると

さらにまた向うでいてゐる

どこまで追󠄁つかけても君のこゑ遠󠄁とほ

かうしてぼくは草きをにぎつたまゝ

花󠄁はたをぐるぐるまはる

君はいつたい夜ぼくの開いた

書物の上に來るどの蟲なんだ

ぼくをからかつてはいつてしまふ

どの蟲なんだ

そしてくとき姿󠄁すがたを見せない君を

ぼくは大人のやうに狡󠄀猾こうくわつと思う

どんなにせがんでも子どもの前󠄁ぢや

本當にはふえを吹いてくれない

あの大人のやうに