Page:NiimiNankichi-NurseryRhymes and Poems-1-DaiNipponTosho-1981.djvu/63

このページは検証済みです

機織蟲


彼はなつ草の中で生れた

そのとき草の色と同じみどりだつた

彼はほし草の中でんだ

草と同じ褪せた色で――

環境󠄂かんけうがどんな大きな

えいけう力をもつか といふ

愚鈍ぐどんな論

身を以てせう明󠄁しました

ひよこ


君だつて

大人のすることだけのことはする

ほうされると

自由とひろさをあぢはつてみるため

力一ぱい搏くのだ

たゞその途󠄁端 一尺ばかり

よろけていつて

しりもちをつくといふだけのことさ