邪󠄂ましないやう
そつと見て通󠄁る
垣根
垣根も四月󠄁はまだ子供で丈󠄁がわたしのバンドにとどか
ない。ゆくときわたしが葉をさわると子供の耳のやう
に柔い。耳をひつぱられた子供のやうに垣根はすると
くすくす笑つて隠󠄂してゐた蝶をはなすのです。靑い空󠄁
へはなすのです。
四月󠄁のあさの (再び)
四月󠄁のあさの
風がはこぶもの
花󠄁びらの
きまぐれ
脚たるゝ
蜂のものうさ
いまさめた
夢の
けどほさよ