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相面百稽滑

たてまつるな」とゆびにて使者しゝやいしきをつめつて 如何いかゞ御座ござたてまつるな 次武御親切ごしんせつつめりくださるかはらんが、一かうつうじませんな うだイ、これでは 次武まるはいがとまりやう御座ござんだツてはいがとまりやうたてまつるか、よし今度こんどは一けんだぞ」と懷中ふところから釘拔くぎぬき「オイ此方こつち御向おむたてまつてはこまたてまつるヨ、ソラうで御座ござたてまつるな」と釘拔くぎぬきにてしりをつめると 次武これ餘程よほどこたへますわイ んだ餘程よほどこたたてまつるとたナ、おもたてまつ次武これがたのふ御座ござたてまつる たてまつるとたな、ヤレ、ヱンヤラヤアー 次武「オー痛々いた………「ウントコラアー 次武「オーイタヽヽヽ 「ヨイトコラアー 次武「オーイタヽヽヽ 「ヤレ閻魔えんまのこイ 次武おもして御座ござる、おもして御座ござる」田中たなか太夫だいふあはひ唐紙からかみあけ「してお使者しゝや御口上ごこうじやうはナ 次武「ハイ、屋敷やしきをりきかずにまゐりました。