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相面百稽滑

こんねがひまするで、はい 留太夫とめだいふ御挨拶ごあいさつをせんか んだイ、ゑへさつなんて、ヘイ御座ござたてまつるヨ、御私事おわたしこと御中村御留太夫樣おなかむらおとめだいふさままおたてまつるもので、御私樣おわたくしさま御指おゆびさき御力おちから御座ござたてまつるから、御前樣おまへさま尻樣けつさまつめりたてまつるやうわけ御座ごさたてまつる、恐惶謹言きようくわうきんげん 「コラなにまをす」と留公とめこうそで引張ひつぱつると 「オイそで引張ひつぱつてはいけねヱ、んぼ借物かりものでききれるといけねヱ 「コラらせますると、留公とめこうキヨロしながら 御田中おたなか太夫だいふさん、これ御出奉おいでたてまつては御私樣おわたくしさまが、御口おくち御聞おきたてまつらねエからはやくあちらへ御引込おひきこたてまつれ しからば失禮しつれいやうよろしふ御座ござたてまつる」と三太夫だいふさんはつぎ引退ひきさがりました 「オイ御前おめへさん、しりはやまくりたてまつれ、オイまくりたてまつれヨ 次武んとあふせられるか、何分なにぶんわかかねまするテ んでもよろしふ御座ござたてまつるから、けつまくりたてまつれヨ、オイだれ其處そこ御覗おのぞたてまつて御笑おわらたてまつるナ、御覗おのぞたてまつてこまたてまつるヨ 次武しからば失禮しつれい」としりをまくると んだイむくじやらな御尻樣おしりさま御座ござ