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相面百稽滑

けてやう、と留公とめこうむか「コレ職人しよくにん 「ヘイ 只今たゞいま相談さうだんいたしたところが、きふことゆへ一寸ちよつと差支さしつかへるから、其方そのはう一ツつめつてくれ、當家たうけ家來けらいのつもりで、何分なにぶんたのひか 「ヘイ、やツつけますとも有難ありがてのやツつけるなどとぞんざいなくちをきいてはならぬ、言葉ことばさむらひらしくいたせヨ 「ヘイよろしふ御座ござゐ、んでもうへおんつけて、したたてまつるをけたらよからふ、今日こんにちよい御天氣おてんき御座ござたてまつるとはうだイ だいさむらひになるにはそのあたまではいかぬ、御同役ごどうやく一寸ちよつとかみゆつてもらヘ、れから印半纒しるしはんてんぎコラ腹掛はらがけれ、その紋付もんつき着物きものて、おびしめろ、ヱーしたはうしめてはいかぬ、モツとうへはうへ、れからそのはかま穿はくのだが、はかま穿はいことがあるか 馬鹿ばかにしちやアいけねヱ、れで二度目どめだ、一ぺん親分おやぶん葬式さうしきとき穿はきましたヨ んとふがさつなやつだ、シテ其方そのはう名前なまへなんふのだ わつち留公とめこうひます たゞ留公とめこうではあるまい、留吉とめきちとか留次郞とめじらうとか、とめなんとかふのだらう れがな、子供こどもうち留坊とめばうで、いまでは大槪たいがい留公とめこうまたひとにおごつてでも