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要するに法律が社會に存在するとは實際個人の意志を司配しつゝあるときに謂ふ可きのみ。

三 法律の變動

法律は人の精神中に存在す。然るに精神は不斷變動す。即ち社會の變遷に件ひ、其精神的構造は自ら變動す。血緣時代の人の精神と、封建時代の人の精神と現在の人の精神と如何に大なる差あるかを見む。

精神の變動は如何にして起るかと云ふに二方面あり。一は國家的行動の影響にして、一は社會的行動の影響なり。法令は個人の行動を規定す。個人は法令のまゝに行ふ事あり。或は法令を恐れ、又は法令を厭ひ其