Page:Kokkaron1905.djvu/43

このページは校正済みです

第二章 國家組織論

一 國家の名稱

國家の名含む所の意義甚だ多し。今一々之を論ぜず。凡そ文字に含ましむる所の意義の何たるやは記者の隨意なり。唯之を明言するを要するのみ。國家なる文字を用ふる者も其意義を明白適確にするを要す。先つ社會の成立を考ふるに必ず小社會の合併を發見せざるはなし。社會は歷史的事實なり。之に先天的論理を應用すべからず。即ち如何なる社會も小社會の合併より成る可き者なりと謂ふ可らす。然れども