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鹿兒島縣史 第一巻

序説

第一章 地理概説

 本縣は九州の南部に位して、大隅・薩摩の兩半島を以て鹿兒島灣を抱き、西南諸島中、與論島までを管轄し、東は太平洋に面し、西は東支那海に臨み、舊日本の南門を形成してゐる。此の地理上の位置よりして、自ら支那及び南洋諸國との交通上の要衝となり、古來對外交渉の上に恒に有力なる地位を占めて來たところである。

 東西は大海、北は熊本縣に、東北は宮崎縣に接し、西北は不知火海を隔てて天草島と相望み、南は沖繩列島と連る、極東囎唹郡志布志町後谷、東經百三十一度十二分二十九秒より、極西大島郡與論村茶花の西端、東經百二十八度二十三分