に、ぞつとせずには聞かれなかつた。
「アハヽヽヽ、菅原の奴は灰になつた証文󠄁を十万円で買つたのだぜ。アハヽヽヽ」
彼の笑いは容易に止まなかつた。が、やがて笑いを止めると、彼は卓子の上の二つのダイヤモンドを比べて見ていたが、
「こつちの方が少し小さくて、性質も少し劣るようだが、まあ之で我慢して呉れ、分前だ」
簑島は掌の上に置かれた大粒のダイヤモンドをどう処置して好いやら分らず、身体をブル〳〵顫わしていた。