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 國語アクセントの調査については、明治時代の晚期このかた、音󠄁聲學者󠄁をはじめ、國語學徒や國語敎育者󠄁が手をつけたことが折々あり、且つ二三の辭典があらはれた程でもあつた。然しその調査は未だ周密正確なる程度には至らなかつたやうに思ふ。昭和の大御代に入り、國語に對する關心が次第に文字の言葉から音󠄁聲の言葉に向つて高められて來た結果として、アクセントの統一といふことが益󠄁々重要󠄁視󠄁されるやうに進󠄁みつゝあるのは當然の勢といふべきであるが、これは一つには放送󠄁言語に關する當局內外自他一般の少なからぬ注意に起因してもゐることである。

 放送󠄁言語の稽査に關しては、當局夙に施設せる所󠄁多く、恒にその是正と改善とに意を注ぎ來たつたことは周知の事實であるから、今更こゝに贅言を要󠄁せぬ。その成果はすでに積もつて何册かに上り、それらは內外共に重要󠄁なる軌範となし、自他の普く利用してゐる所󠄁である。局內に在つては、或は督勵の指針に供せられ、或は省察の資料に備へられてゐること言を待たない。殊に放送󠄁言語に緊切なる役目を演ずるアクセントに至つては、用語調査の從事者󠄁、常に終󠄁始一貫、精󠄀緻なる檢討を盡くすこと多