Page:Inpukyo 1912.djvu/10

このページは校正済みです

聽くと云ふが如し。

火生於木。禍發必剋。姦生於國。時動必潰。知乏修鍊。謂之聖人

陰陽の理は相互に根となるものり。陰が陽の源とり福が禍の源とる、福必ずしも長からず、禍必ずしも長からず。互に相生じ相滅するものり。彼の周易の根本思想も亦全く此にあり。陰符經は之を實踐に應用せんとするのみ。火は 木より生じ禍害の至る處木を滅す。惡人は國內より生じ、時節到來國家を破ることあり。斯の理を知つて能く精神を修むる者之を聖人といふ。以上にて上篇は終りなり。中篇以下の網要も亦此に外らず。只深く心に味ふを要す。