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客觀性を有するのみならず、趣味として價値判斷の主體および客體となることが暗示されたと思ふ。その結果として我々は、「いき」を或る趣味體系の一員として他の成員との關係に於て會得することが出來るのである。その關係は卽ち左の通である。

{ 人性的一般性に基づくもの { (有價値的) (反價値的)
對自的 (價値的) 上品 ―― 下品
(積極的) (消󠄃極的)
對他的 (非價値的) 派󠄄手 ―― 地味
異性的特殊性に基づくもの { (有價値的) (反價値的)
對自的 (價値的) 意氣 ―― 野暮
(積極的) (消󠄃極的)
對他的 (非價値的) 甘味 ―― 澁味

 もとより、趣味はその場合その場合には何等かの主觀的價値