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係、特に社會的階級性に關係したものとして見られてゐる。歌麿の「風俗三段娘」は、上品之部、中品之部、下品之部の三段に分れてゐるが、當時の婦女風俗を上流、中流、下流の三に分つて描いてゐる。なほ佛敎語として品を吳音で讀んで極樂淨土の階級性を表はす場合もあるが、廣義に於ける人事關係と見て差支ない。上品、下品の對立は、人事關係に基いて更に人間の趣味そのものの性質を表明するやうになり、上品とは高雅なこと、下品とは下卑たことを意味するやうになる。

 然らば「いき」とこれらの意味とは如何なる關係に立つてゐるであらうか。上品は人性的一般存在の公共圈に屬するものとして、媚態とは交涉ないものと考へられる。「春色梅曆」に藤兵衞