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め」との三契機を示してゐる。さうして、第一の「媚態」はその基調を構成し、第二の「意氣地」と第三の「諦め」の二つはその民族的、歷史的色彩を規定してゐる。この第二および第三の徵表は第一の徵表たる「媚態」と一見相容れないやうであるが、果して眞に相容れないであらうか。曩に述べたやうに、媚態の原本的存在規定は二元的可能性にある。然るに第二の徵表たる「意氣地」は理想主義の齎した心の强味で、媚態の二元的可能性に一層の緊張と一層の持久力とを呈供し、可能性を可能性として終始せしめようとする。卽ち「意氣地」は媚態の存在性を强調し、その光澤を增し、その角度を銳くする。媚態の二元的可能性を「意氣地」によつて限定することは、畢竟、自由の擁護を高唱す