Page:Iki-no-Kozo.djvu/141

このページは校正済みです

象としての「いき」に還󠄃元し、兩存在樣󠄂態の相互關係を明瞭にすると共に、意味としての「いき」の構󠄃造󠄄を闡明したと信ずるのである。


註(一三)Dessoir, Aesthetik und allgemeine Kunstwissenschaft, 1923, S. 361 參照。

(一四)「美的小」の槪念に關しては Lipps, Aesthetik, 1914, I, S. 574 參照。

(一五)米國々旗や理髮店の看板が縞模樣でありながら何等の「いき」をももつてゐないのは、他にも理由があらうが、主として色彩󠄃が派󠄄手であることに起󠄃因してゐる。婦󠄃人用の烟管の吸口と雁首に附けた金具に、銀と赤銅とを用ひて、銀白色と帶靑灰󠄃色との橫縞を見せてゐるのがある。形狀上では理髮店の看板と殆んど違󠄄はないが、色彩󠄃の效果によつて「いき」な印象を與へる。

(一六)哲學雜誌、第二十四卷、第二百六十四號所󠄃載。