立國トシ之カ代償トシテ伊太利ニ與フルニ「ザラ」Cemo, Baccagnazzo及Dielaノ一部分ヲ以テシ「ダルマシア」海岸島嶼ニ關シテハ之ヲ伊國ト「ユーゴー・スラヴ」トノ間ニ分配シ前者ハ「フイウメ」ノ咽喉ヲ扼スルCherso, Lussin二島ト「アドリアチツク」海群島中作策戰上ノ要地タルLagosta及Pelagosaノ二島ヲ得ルコトトナリタリ
（ニ）「クロアート・スロヴアニア」及「シミリア」地方
右ノ中「シミリア」地方トハ「サーヴ」河「ダニユーヴ」河ノ合流地點地方ヲ指稱ス
（ホ）「ヴオイヴオデイナ」地方
Banatノ西南地方ニシテCemesvar, Batchka及Baranyaヲ含ム舊洪牙利領ナリ「バツエカ」ハ「ダニユーブ」トCisza河ニ挾マレタル地方ニシテ「スポチイツア」「ソムボール」及「ノヴイ・サド」等ノ都市ヲ有シ又「パラニヤ」ハHarkany-Villaney Mohovesヲ劃スル線ノ南部地方ナリ
（ヘ）「ボスニア・ヘルツエゴヴイナ」地方
右地方ノ中「イストリア」「カルニオール」「ダルマシア」ハ元ト墺太利ニ「クロアート・スロヴエーヌ」及「ヴオイヴデイナ」ハ洪牙利ニ屬シタル地方ナリ「ボスニア・ヘルツエゴヴイナ」ハ千九百八年に墺洪國に合併後其「コンドミニユウム」ヲナシ居リタリ「セルブ・クロアート・スロヴエーヌ」國ハ右ノ外尙Carinthie南部を領有スル豫定トナリテ「サン・ゼルマン」條約第四十九條ニヨリテ該地方ノ所屬國ハ人民投票ニヨリテ之ヲ定ムヘキコトト規定シタルカ右人民投票ハ千九百二十年十月十日ニ行ハレタル處其結果ハ豫期ニ反シテ「スロヴエーヌ」人の多數ヲ占ムル右地方ハ却テ墺太利ヲ選フニ至レリ這ハ農民カ經濟上種々ノ配慮特ニ「ユーゴー・スラヴ」ハ於ケル强制徵兵ヲ忌ミタルニ因ルトイフ
第二「セルヴ・クロアート・スロヴエーヌ」王國建國史
第一期 中世ヨリ近世初ニ至ル迄ノ民族不統一ノ時代
紀元三世紀ノ頃羅馬人ハ巴爾幹半島ニ散在セル「イリリア」人及「ケルト」人ヲ征服シタリシカ後「ビザンス」ノ勢力之ニ代リ以テ中世ニ及ヘリ（Pièrre de lanux : Op. cit.）此ノ間「カルバート」及南露平原ヨリ出テタル「セルヴ」「クロアート」及「スロヴエーヌ」人ハ特ニ五世紀及七世紀ノ交南下シ來リ先ツ「モンテネグロ」ノ地ニ不完全ナカラ「ゼタ」（Zéta）王國ヲ建設セリ其名ハ異レトモ彼等ハ共ニ「スラヴ」大家族ノ分枝ニ外ナラサルナリ彼等ハ新住ノ地ヲ得テ憩フ
