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たるに風の吹たる。ろうさうはりてはなつほど。さがなきむまのはなれたる。思ひかけぬほどにいづくよりにかあらむさるのはなれていりきたる。いと心あはたゞし。

心ゆるいなき物。うむべきほどちかくなりて。うちわたりなどのつぼねにある人。おいたるおやのあつしきもたる人。あはたゞしうはふほどのちごもたる人。いろごのみなるおとこもたる人。ものゝけつきそめぬる人。舟のみち。

つれなる物。所さりたる物いみ。ぢもく除目のあしたにつかさえぬ人の家。むまおりぬすぐろく。

物のあはれしりがほなる物。はなたりしたるおり。かつはなかみつゝ物いふけはひ。わさび山葵くふ。まゆぬくも。たゆまるゝ物。さうじんの日のおこなひ。日とをきいそぎ。てらにひさしうこもりたる。

人にあなづらるゝ物。人の家の北おもて。よろしとてかどあけそめぬる物いみ。あまり心よしと人にしられぬる人。ついひぢのくづれ。心あはしきをんな。ようしといふかみ。

すさまじき[舊本以下下卷]物。はるのあじろ。ひるほゆるいぬ。四月ばかりのこうばいのきぬ。九月のしらがさね。火おこさぬすびつひをけ。わざとむかへたるにちあへぬめのと。うししにたるうしかひ。ちごなくなりぬるうぶや。はかせ博士の家の女ご。ましてうちしきりてむまれたる。はたいふべきにもあらずかし。かたたがへ。物いみなどしにゆきたる所のあるじなき。ゐなかぶみの物なき。京のをもさや思ふらん。されどそれはおぼつかなくゆかしき事。そのころ世にあることなどをかきあつめたるをみて。なぐさむらんかし。又人のも