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いやしげなる物。式部の
むねつぶるゝ物。くらべむまみる。もとゆいよる。おやにまれ。こにまれ。おほかたわが大事におもふ人の心地あしなどいひて。れいならぬ氣色なる。まして世のなかさはがしなどきこゆるおりは。よろづおぼえず。思ふ人のさすがあらはれてはあらぬが。あらむともしらぬに。こと人々にまじりてものいふ聲きゝつけたる。又さらねどおほかたにて。人のその人の事などいひでたるにも。まづこそつぶるれ。いみじくにくき人のあるをふとみつけたるにもつぶるかし。とにもかくにも。あやしうつぶれがちなるものは。むねこそあれ。まづはじめてきたる人のつとめてのふみのおそきは。ひとのうへにてもつぶる。思ふ人などのふみは。さしいでたるをみるにも。なをつぶるゝこそあやしけれ。きよらにと思ふもの。
人ばへする物。しはぶき。はづかしき人にものいはむとするに。まづさきにたつこそあやしけれ。さとびたる人の子のさすがにおごりたる。四五なるゆかしかりける物を。あれにみせよや。はゝなどひきゆるがすを。おとなどちものいふとて。ふときゝいれねば。おそばへて身づ