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はいき。わがはしにてみなひろはれたる心地。無下にしらずみぬ事をさしむかひて。あらがはすべうもあらずいひたる。物うちこぼしたるもいとあさまし。
くちおしき物。五せち佛名などにゆきはふらで雨のかきたれてふりくらしたる。さるべきせちゑなどの御物いみにあたりたる。いと見かはしていつしかとまつことのにはかにさはりいできてとまりぬる。まめごとにまれ。あそび事にまれ。みすべきことありて。よびにやりたる人のこぬ。いとくちおし。宮づかへ所などよりおなじやうなる人々ぐして。物まうでにまれ。さらでもさうぞくこのましうして。のりこぼれてものへゆくに。さるべき人の馬にてもくるまにても。ゆきあひてみえずなりぬる。くちおし。わびてはげすなどもすき〴〵しき心ありて。人などにもうちかたりなどしつべからんをがなと。おとこも女もほうしもなど思も。けしからぬ心なるべし。
ゆくすゑはるかなる物。はひのをひねりはじむる。みちのくへゆく人のあふさかのせきこゆるほど。むまれたるちごの七日ばかりになるほど。大はんにやのど經のひとりしてはじめたる。千日の
いひにくき物。人のせうそこのながき。ましてよき人のおほせごとなどのおほかるを。はしよりおくまで。ついでのまゝにはいといひにくし。又返事まうす。はたいますこしいひにくし。はづかしき人のもとよりものおこせたる返事。おとなになりたる子の思はずなる事きくも。まへにてはいひにくし。