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となまめかし。うすやう。いまもえいでたるやなぎの枝に。あをきうすやうにかきたるふみつけたる。みへがさねのあふぎ。いつへになりぬればあまりあつくてもとなどにくげなり。よくさきたるふぢの松にかゝれる。おかしげなる人の夏の木丁のうらうちかけて。そひふしたるすきかげ。こききぬのつやゝかなるなどきて。すゞりひきよせて。手ならひなどしたる。かたちよきをみ小忌の君だちの日かげのくみかほなどにかゝりたるかたのほど。りんじのまつりのまひ人のはむびのを。かざしの花にゆきのすこしふりかゝりたる。ゑふ衞府のくら人のあを色のとのゐすがた。ひげこ髭籠おかしうしたる。ひわりこ。のりゆみ。いとあたらしうふりもせぬひはだやに。さうぶ菖蒲のいとながきふきわたしたる。あをやかなるみすの下よりくち木がたの木丁のわかやかにていでたるに。ひものかぜに吹なびかされたる。つねの事なれどおかし。さやうなるすのまへ。かうらんなどに。おかしげなるねこのあかきくびづなに。しろきふたつにてむらごのつな。いとながうひきてありくこそいとなまめかしうみゆれ。さつきのせちのあやめのくら人。さうぶのかづら。あかひものいろにはあらぬくたい裾帶ひれなどしてたちなみきたまへるに。くすだまたてまつる。いみじうなまめかし。とりてこしにひきつけつゝ。ぶたう舞踏したまふも。いよなまめかし。灌佛のわらはのかたちよき。ほそだちにひらをつけたる。ふさながきふぢにつけたるふみもなまめかし。五せちのわらはべも。めもあやなる物。もくゑのさうのことのかざりたる。七ほうのたう。もくざうの佛のちいさき。

うつくしき物。うりにかきた